
本日は、藤本美郷さんが書かれた「あなたならどうする ドキュメント若年性認知症」について紹介をしたいと思います。
藤本美郷さんって?
藤本美郷さんとは、もともと雑誌記者をされており、現在はフリーライター活動をされている方です。
また、逆境を乗り越えようとする人々の支援や自立を目的とした会社(株)Mプランニングを設立されており、福祉や医療、社会問題に関する講演を行われています。
監修している「朱雀の会」とは
朱雀の会とは、元々、1994年ごろ、奈良県医科大学の精神科教授と保健師による指導・協力の下、若年性認知症の家族の会が発足し、毎月、医師と保健師による認知症家族と患者に対して研修会を行っていました。
その後、1997年より「認知症の人と家族の会奈良支部」に付属し、2001年より独立し、全国初の若年性認知症の家族会として、認知症の家族を中心に活動を行われている会となっています。
あなたならどうする ドキュメント若年性認知症の内容
自営業で電気工事を手がけていた吉桑さんが、2006年に、認知症の初期症状である、人や物の名前がわからない、注文したメモを倉庫の中に置き忘れるなどが目立つようになり、2007年に専門医を受診し、若年性アルツハイマー型認知症の診断。告知を受けました。
その後、2008年には自営業を廃業。現在は、週2回、若年性認知症サポートセンター「絆や」に通い、洗車や草抜き等の仕事を行い、自宅では認知症予防の為に家族の協力のもと、認知症予防の取り組みを行いながら過ごしておられます。
本書では、吉桑さんの、若年性アルツハイマー型認知症の初期から中期にかけて、どのように本人、家族が葛藤し、現在の状況に落ち着いたのかが書かれています。
初期の若年性アルツハイマー型認知症の初期にやれることとして、告知、そして病気を受け入れるには、若年性認知症の場合には、社会的・経済的に責任ある立場であることが多いことから、告知をせざるを得ない状況が多い。
告知をする事で、逆人本人の不安を取り除く事ができたり、家族や周囲の理解を得る事ができる。
また、これからどのような事が怒るのか、若年性アルツハイマー型認知症について「知る」ことが、受容への第一歩になる。
上記の事が書いてありました。
もし、若年性アルツハイマー型認知症について疑いがある方や家族について、最初の最も高いハードルである「受容」する事へのヒントになるのではないかと思いました。
本では、吉桑さんは、自身で講演を行われるといったチャレンジをされています。
一人では、講演が難しいために、奥様の協力があり、講演をされるのですが、その内容が1ページに濃縮されています。
ぜひ、その講演内容は、本書で確認いただければと思います。
その他、若年性認知症患者とその家族2組の取材を行われています。
テーマは若年性アルツハイマー型認知症の中期から末期についてで、悲壮感だけでなく、本人と共に寄り添い、「自分らしく」輝けるための取り組みや、経済的なリスクを軽減する為の具体的な支援サービスや、支援団体や社会保障制度など、幅広く実例を踏まえて書かれています。
本書で得られるもの
あなたならどうするドキュメント若年性認知症を読んで、得られるものとして、若年性アルツハイマー型認知症という病と向き合わざるを得なくなった本人・家族がどのようにして、社会的に生きていくのか、その具体的な足跡を辿る事ができます。
また、社会保障の支援内容や支援団体、社会保障から遺族年金まで、幅広く書かれていますので、「認知症が進行したら、こんな問題が出てきて、こんな対応をすればいいはず!」と方向性が、何となくわかる事ができます。
ただし、ひとつひとつの内容を詳細に書くとなると、一冊では収まりきれないので、あくまでの制度の概要説明で終始しています。
ぜひ、本格的に調べたい方は、書籍もしくは、インターネット(当サイトを含めて)などでお調べいただけると、知識を補完できるかと思います。
カテゴリ:若年性アルツハイマー書籍 [コメント:0]
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