
若年性アルツハイマー型認知症の基礎知識をお伝えします。
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若年性アルツハイマー型認知症は、何歳くらい?
アルツハイマー型認知症といえば、物忘れから記憶障害に進行する病気であることは、知られていますが、アルツハイマー型認知症の中でも「若年性」となると、どれくらいの年齢なのかわかりにくいので、定義しますと、アルツハイマー型認知症は年齢によって3段階に分けられます。
18歳~39歳で発症する・・・・若年期認知症
40歳~64歳で発症する・・・・初老期認知症
65歳以上で発症する ・・・・・・老年期認知症
39歳以下でもアルツハイマー型認知症が発症することに驚いた方もおられたと思います。
一般的には、初老期認知症という呼び方は、医療に関わる専門職が分類のために使用する言葉ですので、一般的に言われているのは、65歳でラインが引かれています。
65歳以上でアルツハイマー型認知症にかかれば、老年期、つまり「若年性」とつかず、それ以外の若さでアルツハイマー型認知症にかかった方の事を一般的に若年性アルツハイマー型認知症と言われています。
若年性アルツハイマー型認知症にかかる苦しみ
若年性アルツハイマー型認知症にかかってしまった場合、老年期にかかるよりも、非常に多くのハードが立ちふさがると言われています。
【病気への理解がない】
「アルツハイマー病は、高齢者がかかるもの」という思い込みから、社会では怠け者と見られたり、社会不適合者など、病気ということに気付かずレッテルと貼られてしまう場合が多くあります。
また、家族もまさか病気とは思わないために、本人に強く当たったり無視したりするなど不適切な対応をしてしまい、本人のアルツハイマーがた認知症を進行させる事があります。
【家族関係の悪化】
若年性アルツハイマー型認知症にかかることで、性格が以前とは別人のようになる症状が出る方もいらっしゃいます。例えば、落ち込むなどのうつ症状なら寄り添うことが可能ですが、すぐに怒りやすくなる、反社会的な行動を取るようになるといった症状が見られる場合があり、介護者は守りたくても本人が強く拒否する場合もあります。
そのような日々を送ると、家族が疲弊し、本人と適切な距離を取れなくなってしまいます。
また、子供がいる場合は、自立していない場合が多く、いじめや不登校の原因になる場合や、「将来、自分にも遺伝するかもしれない」と将来に悩む事もあります。
【金銭・経済的に追い詰められる】
一日の大黒柱で、収入の主となる夫などが若年性アルツハイマー型認知症になる場合、離職しなければならなくなり、大幅に収入が減少する事が考えられます。
また、働き盛りの年齢なら住宅や車のローン、子供の教育費、さらには自身の治療費などが必要となり、お金に困窮し、金銭・経済的に追い詰められる場合が多くあります。
さらに、リスクの一つとして、判断能力が低下しているために、詐欺などの金銭搾取や用途不明な借金などが発覚する場合もあります。
【受け入れる福祉・医療サービスが少ない】
認知症に関する介護施設は、基本的に65歳以上の高齢者を想定して作られているので、絶対数が足りません。また、施設など受け入れ先が見つかった場合でも、利用しているのは80歳代の高齢者である場合がほとんどで、若年性アルツハイマー型認知症といった、同じ年代で同じ病に苦しんでいる方が多くいる施設は希であるといえます。
また、40歳以上であれば、「老化に伴って発症した」認知症は給付介護保険の対象になるのですが、交通事故などによる頭部外傷による後遺症や、アルコール脳症などからなる認知症は「老化に伴っていない」ため適用外となり、入口がさらに狭まれます。
障がい福祉サービスであれば就労支援事業所などで、知的障がい者の方と共に作業を行うなどの居場所が見つかることもありますが、認知症が進行性の病であるために、徐々に作業についていけないという例も報告されています。
若年性アルツハイマー型認知症の希望
上記で述べたように、若年性アルツハイマー型認知症には、大きなハードルが立ちはだかります。
しかし、病にかかったからといって、悲観だけするのではなく、現在は認知症医療が進み、進行を遅らせるための薬や治療方法、認知症症状が改善する接し方など、数十年前に比べると格段に進化しています。
当サイトでは、若年性アルツハイマー型認知症への理解を増し、具体的な対応を知ることで、若年性でアルツハイマー型認知症になったとしても、健やかに自分らしく暮らしていけるよう、情報を提供したいと思います。
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